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業務内容

業務紹介

熱処理技術

歪みは最小で硬さは最高にという極めて難しいニーズに独自の熱処理技術で応えます。

クラッチプレートに代表される薄物の熱処理を得意とします。

自動化ラインにより、短納期で緊急対応が可能です。

浸窒焼入れ(Nクエンチ)

鉄に窒素のみを浸入・拡散し、オーステナイト状態から焼入を行う新しい表面硬化法熱処理です。
低炭素鋼SPCCで硬度HmV800以上が得られ、従来の浸炭窒化に比べてひずみを1/2以下に抑える事が可能です。
詳しくは弊社HP内の『浸窒焼入れ』ページを参照願います。

真空浸炭焼入れ

炉内減圧下においてアセチレンガスを挿入し、分解反応によって鋼に活性炭素を浸透拡散させた後に、冷却油中で焼入れする表面硬化法熱処理です。
ガス浸炭に比べ、粒界酸化(表面異常層)がない為、破壊の起点がなく疲労強度が強くなり、製品寿命が延びます。

浸炭

「加工材料の表面全体又は部分の表面硬化を目的とするもので、浸炭剤の中で、加工材料をAc3変態点以上の適当な温度で適当な時間加熱表面層の炭素濃度を高めた後、焼入焼戻しを行なう処理。浸炭窒化の場合には、炭素濃度とともに窒素濃度も高める。」(JIS B 6914)

浸炭の方法としては、1.固体浸炭 2.液体浸炭 3.ガス浸炭 4.真空浸炭 がある。弊社の場合は滴注式ガス浸炭を行なっている。「滴注式ガス浸炭においては変成ガス発生装置は必要とせず、浸炭炉内に直接有機剤で、C-H-Oの成分を持つ、メチルアセート、イソプロバノール、メタノールなどの混合物を滴下気化させ、そのガスによって浸炭が行われる。」(宮永文吾・鈴木健司「熱処理技術の選択」p51)

アイテックの特徴

ガス浸炭・真空浸炭が可能で、製品の材質や形状に応じて最適な方法を選定出来ます。

浸炭窒化

「鉄鋼を変態点以上に加熱して、ガス雰囲気からC(0.8%C)とN(0.3%N)を浸透させて表面硬化する方法を、浸炭窒化略して炭窒化という。(中略)浸炭窒化法は硬く(HRC63)耐磨耗性に富むケース(層厚0.07~0.7mm)を得るのに好適で、浸炭窒化層は浸炭層よりも焼入れ性がよい。したがって、浸炭窒化焼入れすると所要の硬度をもってケースが得られる。油焼入れすれば変形が少なく、硬い層が得られる。

素材としてはC<0.25%のC鋼、Cr-Mo鋼、Ni-Cr-Mo鋼などが使われる。浸炭窒化したものは焼戻しによる軟化抵抗が大であり、また残留応力の分布が好ましい形なので疲労と衝撃に強くなる。したがって、歯車、シャフト、カム、ピンなどの表面硬化に利用されている。」(大和久重雄「金属熱処理用語辞典」P96)

アイテックの特徴

薄物に対しては低温浸炭窒化を行うなど、製品の材質や形状に応じて最適な熱処理条件を選定しております。

ガス軟窒化

「加工材料の耐磨耗性、耐焼付性、耐疲労性などを向上させることを目的とする表面硬化処理方法で、適当な温度で適当な時間加熱し、加工材料の表面全体又は部分的に、窒素又は窒素及び炭素を同時に拡散させ、窒化層を形成させる熱処理。

(a) ガス軟窒化 加工材料を窒化性ガスを主体とする雰囲気中で加熱し、軟窒化を行なう加工。
(b) 塩浴軟窒化 加工材料を窒化性塩浴中で加熱し、軟窒化を行なう加工。」
(JIS B 6915)

「塩浴窒化には公害問題があるのでその代替として開発されたのがこのガス軟窒化であって、そのよさが認められて急速に普及してきた。その方法は、吸熱形変成ガス、もしくは滴注式分解ガスなどの弱い浸炭性雰囲気や、N2ガスをベースとしこれに、30%~70%のアンモニアガスを加えて、550~600°Cに加熱して窒化を行なうものである。対象となる鋼種は、リムド鋼の板か合金鋼まで広く利用され、表面硬さは、HV450~900の範囲となる。」(宮永文吾・鈴木健司「熱処理技術の選択」P57)

アイテックの特徴

弊社のガス軟窒化は冷却方法を空冷としている為、油冷と比較して残留物がなく、きれいな外観仕上げとなります。

調質

「鉄鋼製品を焼入硬化後、比較的高い温度(約400°C以上)に焼戻して、トルースタイト又はソルバイト組織にする。」(JIS B 6905)

「調質とは鋼の結晶粒子を微細にして鋼質を調整し、強じん性を実質的に向上させる操作をいう。通常、焼なまし、または焼入、焼戻し(焼戻し温度400°C以上)の加熱操作によるのが普通である。」(大和久重雄「金属熱処理用語辞典」P120)

焼きなまし

「焼なましは通常、素材の被削性を改善する目的で行う。焼なまし温度はAc3変態点以上30~50°Cとし、鋼材中心部まで均熱して組織をオーステナイト化した後徐冷する。」(日本熱処理技術協会「熱処理技術入門」P16)

「焼なましとは鉄または鋼の軟化、結晶組織の調整または内部応力の除去のため、適当な温度に過熱した後、ゆっくり冷却する操作をいう。」
(大和久重雄「金属熱処理用語辞典」P192)

アイテックの特徴

光輝炉での対応が可能であり、酸化スケールはほとんど付きません。

プレステンパー

「プレステンパーとはテンパー(焼戻し)するとき、プレスして行なう方法であって、曲がり直しや整形に非常に有効な方法である。

プレステンパーの原理は、焼戻しのさい、組織変化や析出変化をともなう場合には塑性変形がいちじるしく促進されるということに基づくもので、したがってチンチンに焼きの入ったものを焼戻す場合、または焼戻しによっていちじるしく軟化する場合に有効である。

このため焼入れ部品を曲がり直しや整形する場合に、プレステンパーが有効になるのであって、組織的にはマルテンサイトがトルースタイトまたはソルバイトに変化する時プレステンパーがよくきき、パーライト組織のものはよくきかないのである。アメリカなどではheat setting といった薄板製の複雑な形状のワッシャなどの成形に応用している。」(大和久重雄「金属熱処理用語辞典」P161)

アイテックの特徴

プレートを締付治具にセットし、光輝戻し炉にて処理を行います。
そのため、酸化スケールはほとんど付きません。